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2018年5月19日土曜日

2017 Fall Semester, 3rd Semester 授業紹介

そろそろ留学生活も大詰めを迎えているので、振り返りながら、学びや気付きをまとめておきたい。

まずは2017, Fall Semester(3nd Semester)で僕が取っていた授業を紹介しつつ、そのフィードバック等をまとめておく。

3rd Semesterは最終論文でもありプロジェクトでもあるOpen Projectが始まる時期なので、GSD,HBS,HKSでの今までの学びやサマーインターンでのスキル習得を活かして、Open Projectの構想を練り上げることを行いつつ、Field Studyを中心とした。シアトル、ボストンでのFirst Handな経験をもとに米国基準での都市計画、不動産開発、設計、施行についても具体的に知見を広げた。


具体的に取った授業は下記。


1) Field Studies in Real Estate, Urban Planning, and Urban Design, case in Seattle by Richard Peiser 

一学期の不動産ファイナンスに続き、名物教授であるRick Peiserが主導するField Study型の授業。この授業は不動産デザイン学科の中でものめり込める非常にお気に入りの授業のひとつ。

毎年、Rickのパワフルな人脈により、様々な都市をフィールド・スタディの場所として選定し、その都市の都市計画局や地元デベロッパー、建築家、不動産アナリストそして市民団体をアドバイザーに迎えて、最終的に選定都市への開発提案を行う。

Field Studyクラスの学生構成はコンパクトかつ精鋭を揃えてのクラス構成となる。

不動産デザイン学科の学生はもちろん、Urban Planning学科、Urban Design学科、そしてMark、つまり建築学科からの学生からの混成チームが結成される。

各回に、開発計画を提案するにあたり、不動産ファイナンス側だったり都市計画論側からの短い課題が出される。

そして、学期中期に目玉である選定都市訪問、そしてField Studyと地元ステークホルダーとの対話が行われる。もちろん学期末には提案書を練り上げ、最終プレゼンを地元ステークホルダーと教授陣を前に行う。

昨年のField Study地はマイアミだったため、応募者殺到のうえ、くじ引きによる抽選となったが、今年もAmazon本社やFacebook、Google、ボーイングが本社を構えてテック系雇用の震源地となりつつあるシアトル。
なんとか抽選に繰り上がり合格し、実地調査ができることになった。


シアトル市街地をGas Works Parkから望む。以前はガス生成所があった場所を都市公園へと再生




最終プレゼンを行った、我らがTeam Gooseの案(都市計画系と不動産系の学生5人の米国、インド、モナコ、日本からなる混成チーム)

操車場とアーミー用地が残るInterbayというシアトル市街北部のエリアにPromenadeを軸とした様々な活動がCrossする「場」を提案。
クラス内とシアトル側の審査委員から見事一位に選ばれた。





シアトルは現在、Amazon社が本社を構えて、その規模をさまざまな企業買収とともに急拡大している。現在シアトルでの社員はなんと4万人!

まさにAmazon Villageが出来上がっており、地元にとってもAmazonの雇用がもつインパクトが凄まじい。

画面の黄色いハイライトがAmazonによる開発。

ほぼ市街地の大規模開発の70%はアマゾンによるものだ。

また、その他にも青ハイライトはFacebook、赤ハイライトはGoogleの施設群をしめす。

また、InterbayエリアにはExpedia本社も新設予定。








このField StudyではAmazon本社の開発、設計を手掛けたNBBJの設計部長から直々に案内を承けた。また、実際にはAmazon自体も不動産開発を行っているため、GSD出身者を多数採用している。



また、現地シアトルのワシントン・ユニバーシティでも教鞭をとりULIのコアメンバーであり都市計画家のPike氏を始めとして、不動産アナリスト、市民団体、アーキテクトデベロッパーの方々が勢揃いしてのシアトルの都市計画と市況についての濃密なレクチャーシリーズとディスカッションが行われる。













もちろん濃密なField Tourの合間にも、シアトルの建築群を巡る。
特にOMAによるSeattle Public Libraryは必見。多様につながる空間と、独特の外皮により居場所がいくらでも選べる。少し小高い丘の高層ビル群の切れ目に位置するのだが、視認性が高いわりに都市に公共空間を内外に与えている。

また、スターバックスの創業者ハワード・シュルツがレイ・オールデンバーグからヒントを得て作ったとされるサードプレイスの発祥地、つまりスタバ一号店は是非とも訪れてみたい場所だったので、念願が叶った。













Field Studyの中ではSeattleの市街地の他に、Bellevueも廻った。シアトル市街地からおよそ車で20分程度の対岸に位置するこの街、なんとほぼ街区すべてがKemperというデベロッパーによって40年にわたって開発されて来ており、今はハイエンドな商業とオフィス、高層住宅からなる地域となっている。

下記は実際に40年間のBellevueの発展を手がけてきたKemper会長その人。自ら模型を示しながら、そして施設を歩き回りながら発せられる言葉には熱が入っていた。日本でいう森稔さんのような方だ。
印象的だったのは、昨今にAmazonなどのE commerce台頭により商業施設の必要性を危ぶむ声がある中で、それでもやはり商業がカタリストとして街には必要だという信念。彼の開発の中心には常によく考案された駐車場つきの大規模商業がある。

また、テナントやワーカーともコーヒー片手に気さくに話しかけて、足で稼ぐ姿は大いに見習うものがある。















ますますテック系人材が流入し、そして自然にも恵まれたシアトル・メトロエリアは今後も発展する見込みが高く、オフィス系不動産開発が今後も期待される。同時に交通やアメニティなどのインフラがまだまだ未整備でもあるため、様々なプロジェクトが目白押しだ。

これらのField Studyを経て、米国の各都市における固有性や開発機会の底力を感じた。では日本では西と東、あるいは北と南ではこのように力強く、個性を保ちながら発展を遂げている都市があるだろうか?住み分けとも取れるこのような米国各都市の傾向からヒントを得た。

このField Trip後に約3週間をかけて、各学科からの学生の持ち味を活かしつつ、シアトル市インターベイエリアを統括する市政府局へのレポートとプレゼンを練り上げる。

Field Tripを終えたチームは一丸となって、各々の専門性を活かしつつ、いい案を練り上げた。我々のチームは操車場を撤去し、プロムナードを導入しつつ、ウォーターフロントと内陸地を分断するマグノリアブリッジを付け替えるという案を示した。
もちろん、Land Developer / Building Developerとしての事業性も担保しつつだ。

日本では大阪や、中国地方各都市(岡山、広島)、福岡といった西側の地域に非常に有効な開発と成りうるだろう。

レポートには他のチームからの素晴らしい提案も含まれているため、時期をみて、また公開したい。






Field Tripも含まれたいわゆるGSD名物のスタジオスタイルに近い授業であったため、非常に長くなってしまったが、求められる貢献度とプロダクションの物量が多いため、覚悟を持って望む必要がある。だが、もちろん得られるFirst Hand ExperienceとNetwork、Knowledge、として戦友との絆は計り知れない。

気づきとしては下記
・米国の各都市はそれぞれ、不動産開発の求心力が異な、独自の発展を遂げている
・企業誘致の重要性と相乗効果のあるアトラクション
・美味いもの、うまいクラフトビールがある都市には人が集まる
・ワシントンUとの連携によりテック系の優秀な人材と企業誘致のマッチング
・都市計画系の人材との連携は視点を増やせる。特に米国ベースの学生
・Rickとは僕の東京、スリランカでの仕事の話も通じて、生涯の関係が構築できた

以上


2) Global Leadership in Real Estate and Design by Eugene Kohn and Bing Wang

こちらもField Studyにつづき、スタジオスタイルに近いプロジェクトベースの人気授業。泣く子も黙るKPFの創業者の一人でもあり、現役のEugene Kohn氏に直接師事する機会を得られる貴重な授業。
Bing Wang教授は不動産ファイナンスの側面から学生を促してゆき、もちろんGeneは得意の複合開発から実績をもとに示唆を与えてゆく。

レクチャー形式は一学期のForm and Financeに似てはいるものの、クラスは実際のトリップと敷地調査を得て、実際にデベロッパーがKPFと開発する敷地に他の解を出すというもの。
2つの対象敷地があり、1つはバルセロナでBingによる指導、そしてもう一つはボストン・シーポートエリアでのKPFデザインによる開発地区であり、もちろんGeneとKPFのチーフアーキテクトによる指導。

Shanghai World Financial Centerや六本木ヒルズ、NYハドソンヤードプロジェクトでの具体的なエピソードやでデベロッパーとのやり取りなど、興味が尽きないが、彼の直截でありながらユーモアたっぷりな話っぷりにどんどん引き込まれてゆく。

そしてKPF創業期の話を語ってくれた。Gene自体はデベロッパーとの協働や組織のリードが非常に上手い人物であり、デザインでは圧倒的にPedersonが上手いと自身も認めているようだ。

面白いのが、六本木ヒルズの最上階に美術館を置くアイデアに当初は反対していたという事実。結果は明らかだ


この距離で自身のスケッチをもとに、的確なアドバイスをくれる。
最高の時間だ。

Gene、KPFからのフィードバックは下記。

・スタートは出来るかぎりシンプルに考える。とくに複合開発を考える上では用途を交錯する導線に注意
・アメニティと公共空間は重要、ただし事業性を阻害しない範囲で
・六本木ヒルズの自身の体験をプレゼンしたが、好評をいただいた。





もちろん不動産事業性を担保するためのProformaを同時に検証しつつ、ミクストユースを計画してゆくのだが、変数が多いために、最終的な案にたどり着くためには、チーム内のかなりの議論と迷わないVisionを必要とする。
今回のチームは不動産デザイン学科の一年生と二年生、そしてランドスケープ学科の学生による。


現地をKPFのチーフアーキテクトと施工会社が案内してくれる。ゼネコン出身者としては血が騒ぐ笑












下記は成果物の一部。

















最終プレゼンでは各チームからのデザイン的質の高い成果物が相次ぐ。これぞGSDだろう。このクラスは数年に一度のペースでBing Wang教授が書籍として取りまとめて出版もしている。今回は書籍には含まれないかもしれないが、様々な気づきがあった。

・複合開発という変数やステークホルダーが多い開発形式ではVISIONに常に立ち返ること
・多様なパブリックスペースの創出
・Value Mappingというテナント、コンド価格の尺度づけ手法
・数字はあくまで開発の下支えにすぎず、やはり最後はコンセプトとプロダクション
・チーム各自のスキルセットやバックグラウンドの多様性は大切

以上



3) Innovation in Project Delivery by Mark Johnson

この授業では、米国基準による建設プロジェクトの発注方法と、昨今この業界で起こっているDisruptiveなプレイヤーの同行を置いながら、いかに建設プロセスを刷新できるかに調整する。

実は隠れた名授業であり、僕自身としては日本のゼネコンの方式に慣れきってしまっているため、米国基準、国際基準での発注方式の基礎を身につけることに大いに役立った。

実際、Markは様々な建設コンサルを経験し、さらにHarvard大学のCaptal Managementをリードしていた筋金入りのコンストラクション・マネージャー。Capital Managerとは大学の保有する建物をどう改修し、あるいはキャンパスを広げてゆくかを大学の資金をつかってマネジメントを行う。
近作には、ハーバードのファインアーツ・ミュージアムがある。
旧美術館とコルビジェによるアートセンターを融合しつつ、増築した建物で、Markに雇われた建築家はレンゾ・ピアノ。


施行を担当したゼネコンの担当者がMarkの招きにより、レクチャーを行ってくれた。

















Markからクラスの前半では、各発注方式についての基礎的なレクチャーが行われる。すなわち、各方式のプロコンを中心に、どの手法がどの不動産開発事業に向いているか、などについて解き明かす。


4つのオーソドックスな発注方式は下記
・Design Bid Build
・Construction Management at Risk
・Design Build
・Integrated Project Delivery

それに加えて、昨今話題のモジュール方式や3Dプリンターを使った方式、いわゆるDisruptorによる話題にも中盤では触れる。




















ゲストスピーカーで特に自身の活動の延長線上にあるロールモデルといえる、DDGグループ創業者のPeterのプレゼンは掻き立てられるものがある。いわゆるアーキテクト・デベロッパーでありNYではFiancial Crisis後に創業し、今や超高層の開発に着手するまでに成長している不動産開発+デザインを行うグループでありNYを中心に活動している。


彼らのデザイン的手法としてはNYの既存ビルの素材感や装飾をトレースしつつ、その表現方法をモディファイする。
たとえ新しい開発であったとしても開口部の面積は既存のアールデコ調建物と合わせているため、タウンスケープに馴染みやすい。

アーキテクト・デベロッパーという職種があることをA+Uなどでも取り上げてよいと思う。





授業後半では、これらのインプットを元に、自身により建設方法や発注方式、あるいは周辺のサービスについてのイノベーションを考案する。最終成果物としてはビジネスプラン含む論文にまとめるというものである。

自身は建設産業での人手不足を解消しつつ、職人のモチベーションやスキルアップを促すアプリケーションサービスを考案した。
Uberにヒントを得た。つまり建設プロジェクトにおけるWork Forceや下請け業者の最適配置とマッチングサービスだ。こちらはDistinctionという評価を得られた。

実際に日本に限らず、今後新興するアジアの都市において労働市場の最適化においては必要なツールであろう。実現させるにはいろいろなリソースが必要ではあるが、近い将来に実現させたいプロジェクトのひとつとなった。

ある意味ではスマホでつながったゼネコンをつくるようなものだ。

ぶっちゃけ、Markは将来の自身の開発プロジェクトで是非、力になって欲しい笑
不動産デザイン学科のみならずGSDにおいて建設の方式全容を知るうえでは、必修にしてもいいくらいおすすめの授業。

気づきは下記
・米国基準の4方式の習得は必須
・Disruptorの活用がどれだけ進むか、この5年ほどで見えてきそう
・小規模プロジェクトにおいてもコンサルの活用やリスクコントロールを厳格に行うべき
・労働市場は人口動態と完全に連携しているため、今後の全世界的規模の都市化では課題
・MarkにCMを担当してほしい

以上。




4) Open Project 1

不動産デザイン学科での学びの集大成ともいえるプロジェクト型Thesisだ。こちらは最終学期に取りまとめるための、準備体操やインプット期間のようなものなので、あらためて最終学期の成果とともに記事にしたい。

下記に最終的に決定したタイトルとカバーページを記載する。
今回は以上!











2017年4月22日土曜日

2017 Spring, 2nd semester 授業紹介

1月の怒涛のアジアトレック、夏期インターンへの応募やインタビューなどに忙殺されているうちに、すっかりケンブリッジにも春が訪れてしまった。

若干振り返りながらの投稿となるが、2017, Spring Semester(2nd Semester)で僕が取っている授業を紹介しておきたい。
今学期はデザインスクール(GSD)の雰囲気や授業方式、基準にも慣れてきたこともあり、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の授業やケネディ政策大学院(HKS)との合同授業も取っている。


1) Advanced Real Estate Finance + Building and Leading Real Estate Enterprises and Entrepreneurship by Frank Apeseche

前学期のRick Peiserによる不動産ファイナンスと開発の基礎を一通りマスターした学生に提供されるアドバンストなクラスと、不動産やReal Estate Private Equity Groupを起業するための指南を行うクラス。

不動産デザイン学科のCo DirectorであるFrank Apesecheによる授業であり、Frankの実績ははっきりって目もくらむほど。バークシャーグループ(Private Equity)のCEOや不動産系ベンチャーのChairmanを歴任し、またREITの売却も行い、BlacksoneやGoldman Sachsとのパートナー事業も手がけている。

それだけに授業では、業界図を解りやすく、実話を交えて伝えてくれ、また実務での意思決定思考やリスク分析を披露してくれる。もちろんケーススタディも豊富で、ゲストスピーカーに至っては自身の事業パートナーを紹介してくれることから、生々しい話も伺える。

授業というよりは起業家育成塾のような雰囲気で、学生のコミットメント度合いも非常に高い。もちろん不動産事業計画(Pro Forma)が素早く作成できることが前提のうえで、投資判断を仰ぐAssignmentが多く出題される。

最終的には、Real Estate Enterpriseをつくるためのビジネスプランを策定するか、不動産ビジネスについてのリサーチペーパーを書くというFinal Projectを各人がつくることとなる。

僕自身、かねてよりスタートしていた自身の不動産ビジネスをどうスケールさせるかを明らかにしたかったこともあり、Office Hoursも含めてFrankからは徹底的に知識を吸収している。それでも溢れる溢れる。笑

それほど濃密な内容なのだ。実際、来期も聴講のみ行いながら、知識の総ざらいをしたいと思えるほどだ。

・AcquisitionとDisposition
・Cycle Cycle Cycle!
・Waterfallとよばれる、不動産投資体には欠かせない利益分配の仕組みづくり
・REITやInstitutional Investor
・Berkshire Methodと彼が名付ける投資判断のためのショートカット
・Private Equity 概略
・実際のディールでのIRRやMultiple
・企業の成長とOrganization

などなど、デザインサイド出身者からは、不動産の世界を支配している仕組みにどっぷりと浸かることができる。

自身の到達目標は、やはりスタートアップから事業がスケールする流れを習得し、業界の相関図やプレイヤーを把握することにある。
当然、Final ProjectもHow to Scale My Businessとしたい。

自身のディールについて惜しげもなく語るFrank Apeseche教授






















2) Public and Private Development by Jerold Kayden

こちら官民両方の観点から都市開発を紐解くHKSと共同で開催されるロングラン授業。すでに30年近く教鞭をとる人気教授のJerold Kaydenによる安定感のあるクラス。
彼はもともとは法律家出身で、官民両方の開発や都市政策に様々な形で関わっている。学生を巻き込むことと、冗談を飛ばすのが生きがいである。

この授業はGSDの不動産デザイン学科と都市計画学科(Master of Urban Planning)の学生の大半が取る授業であり、かつ都市政策や公共公益という趣旨からケネディ政策大学院の学生も取っている。

不動産開発に必要な不動産ファイナンスの基礎、つまりBack of Envelope計算から入り、都市開発やAffordable Housingの普及にインセンティブを与える都市政策を外観する。我々不動産デザイン学科の学生にとってはファイナンス・パートは安心して聞いていられる。これも前学期のRickのおかげである。
助手のKristenも素晴らしいフォローをしながら、学生全員がしっかりとついてこられるようにとても解りやすいReview Sessionを提供してくれる。

授業は座学、ディスカッション、ゲストレクチャー、共同プロジェクトが実にいい割合で組み合わされている。

ゲストスピーカーには、PublicサイドからはNew York City Planning Officeの実務家やChair、Torontoのウォーターフロント開発の責任者など錚々たる顔ぶれが揃う。Private側からはAffordable Housingにフォーカスしたユニークなデベロッパーや、PPPを行うデベロッパーなど社会に不動産開発を通じてどう貢献するかを実践している方々。

そして、このクラスのハイライトは何と言っても共同プロジェクトの「Land Disposition」だ。
Boston市が所有するFinancial Districtの実際の土地を払い下げるに際して、入札と評価のロールプレイを行う共同プロジェクトだ。

クラスをPublicチームとPrivateチームに分けて、Privateチーム(入札デベ)がプラン、事業計画、入札金額を盛り込んだプロポーザルをPublicチーム(評価側)に提出し、最終的にどのチームを落札者として選ぶかをロールプレイする。
チームはもちろん、学生のバックグラウンドを考慮してバランスよく組まれる。ファイナンス、都市デザイン、都市計画、公共政策というタレントからなるチーム


自身の目標としては、官民での都市開発のベストプラクティスについての理解を深めておきたい。またPublic Benefitを提供できる不動産開発とな何なのかについての視点を、官民両側の視点から考察しておきたい。
ネットワーク面でも都市計画やHKSの学生達との交流が楽しみである。

ゲストスピーカーとKayden教授






















3) Real Estate Private Equity by Nori Gerardo Lietz

僕としてははじめてとなるハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の授業。
実はPrivate Equityの世界では泣く子も黙る名物教授であり、パワフルウーマンであるNori教授の超人気授業。

それだけに、HBS生以外のいわゆるクロス・レジスター(領域横断)を希望して授業を受ける学生はくじ引きによって授業を取れるかどうかが決定される。後で知ることになるのだけど、実はくじ引き以外にもレジュメを教授に前もって提出することになっているため、レジュメとともにクラスの多様性やバランス、バックグランドを考慮して学生が選ばれているようだ。
ありがたいことに、結構な倍率を勝ち抜いて、晴れて受講生となることができた。

HBSの授業はほぼ全てがケース・スタディ・メソッドに沿っており、HBS生のブログにも詳しいが、毎授業で実際のケースを読み込んだうえでのディスカッションが中心となる。さらに、不動産に関連したプライベート・エクイティの領域を扱うことから、不動産ファイナンス、Proformaと呼ばれる事業計画とリターン分析のモデルを検討したうえで、投資判断を話し合うことになることから、授業に挑むための準備にはかなりの時間と学習が必要だ。

そしてNoriの名物であるCold Call、いわゆる抜き打ち指名で発言を求められることが多々ある。例えば、日本の不良債権が話題になるケースであればもちろん日本人が当てられるし、Blackstoneなど実際の企業出身者がクラスにいる場合はその学生達からの意見をクラスに取り入れる意味でもCold Callされる。
これを切り抜けなければ減点されてしまうというルールもあるが、実際は教育としてもいい緊張感があり、非常に効果的だ。
そして、彼女の愛情のある導入のお陰で、笑いと痛快さがクラスを包む。

Nori教授は自身もプライベート・エクイティ投資会社を持っており、不動産投資アドバイザーとしても知らない人は業界にはいないくらいの有名人であるため、ゲストスピーカーの豪華なこと。そして、裏話も歯に衣着せぬものいいで伝えてくれる。

前学期はデベロッパーとして自分のビジネスをスケールすることくらいしかアイデアがなかったが、アジア・トレックで様々なプレイヤーに触れ、またNoriの授業を取ることができ、プライベート・エクイティを使った不動産開発を活用することも見えてきた。それだけ自分にとっては背伸びをしなくてはいけない環境であり、濃密でタフな授業であるが、開眼させてくれた授業でもある。

評価は授業へのコミットメント(参加)が50%であとはAssignmentとFinal Projectで50%の配分が基本。
Final Projectはずばり、Start Your Own Private Equityだ。二人組で投資家へのピッチブックを作り込み、最終的にプレゼンをするという実践的なFinal Projectだ。

この授業をSurviveすることができれば、大きな自信となるとともに、自分のネットワークも広がるだろうことを実感する日々。


目標としては、HBSのケース・メソッドに慣れたうえで、投資判断をできるようになること。そしてピッチブックを英語で作成できるようになること。また、PEの世界のプレイヤーや戦略について少しでも見識を身につけること。



有名な闘技場型のHBS教室 真新しいネームタグ。Nori教授は一人ひとりの顔とバックグランドを覚えている




















4) Market Analysis and Urban Economics by Raymond Torto

不動産のマクロとミクロのマーケット分析と経済を基礎から学ぶ授業。不動産デザイン学科長年の名物教授であり、CBREの元、伝説的リサーチャーであるRay Torto教授による授業。
もう御年75歳とのことと、大病を患われたこと、また独特のボストン訛りの英語から、少々聞き取りづらいのが難点だが、不動産マーケットを知り尽くしたRayの教えは示唆に富む。そして普遍的な法則について核心をつく授業が展開される。

授業では、実際にCBRE EAやRCA等のデータ分析ソースを使用しながら、自分でマーケットを分析する。

ボストンやニューヨーク、サンフランシスコは昨今不動産が高値を更新して活況を呈しているマーケットだが、今後の予測はそう明るいものでもなさそうだ。かと言って毎年家賃や学費が値上げされる米国のファンダメンタルズの強さからすると、まだまだ海外からの資本が投入されている。

今後、不動産マーケットはどうなってゆくのか、人は何処に住まうのか。Live-Work-Playが実現できる場所や雇用が創出されつづける場所はどこなのか。様々な視点がリサーチャーの揺るぎない理論のもとに展開される。

はっきりいって、この理論を学ばずして、いままで不動産投資をしてきたことにちょっとゾッとする瞬間もあった。このマーケット分析手法の基礎を体得すれば、今後も一生つかえる知恵だと思う。

到達目標としては、マーケット分析をフェアな目で行える技量を身につけること。世界の不動産業界の趨勢であるCBREを始めとするソースの活用に慣れること。


コメンテーターとしても活躍したRay Torto教授

家賃相場と空室率をあらわすサイクル








































以上が今期の授業紹介。非常に濃い内容と新しいチャレンジを含むため、やりがいを感じながらもついてゆけるのだろうかと不安にもなる。が、領域横断的で実践的な体験こそ、ハーバードの得意とするところなので、楽しみながら挑んでゆきたい。

2017年2月26日日曜日

東北大震災・復興プロジェクト・スペシャルトーク@ハーバード・デザインスクール

東北復興、石巻川の上プロジェクトについてのスペシャルトークをハーバードGSD(デザインスクール)にて開催
(English Follows)




これは、不動産とデザインの融合を軸にした自身のProfit Oriented活動とともに、重要なライフワークの柱であるNon for Profit Oriented活動のひとつ。


まちは、従来型の不動産開発だけでは決して面白くはならず、ボトムアップ型の市民活動によるパブリックプレイスがあってこそ、魅力的なものになると考えている。

とくにこれからの日本の都市ようにシュリンキングしてゆく場所においては。



今回幸運にも自身の手がけたコミュニティセンターと復興プロジェクトのあらましをハーバードでプレゼンする機会を得られたので共有しておきたい。



復興団体の「川の上プロジェクト」事務局長であり長年の同士である三浦先生がハーバードGSDにいらしてくださった。

石巻・川の上プロジェクトの詳細についてはこちら



講演タイトルは

Learning from Tohoku, Japan: Disaster Recovery and Community Design
- A case Study of Ishinomaki Kawanokami Project-



















スペシャルトークにはハーバード学内外からも様々な分野の学生達が集まり、真剣に耳を傾け、そして内容の濃い議論が交わされた。

デザインスクールからは地方再生や災害復興をデザインで解決しようと励む学生、都市開発と災害について研究する学生、都市計画を志す学生が集まり、ケネディ政策大学院やタフツ大学からは現役官僚の方々、そして建設業界から政策を学びにくる方々が集まった。

後援いただいたJapan GSDの皆様もあらためて感謝申し上げたい。












総勢20名、三浦さんがコーヒーのお供に仙台から持ってきてくれた萩の月も、一瞬でなくなる笑








ディスカッションの中でとくに盛り上がった項目やコメントは下記


・ボトムアップでの巻き込み、チームの力の重要性
・地元の有力者と若手混成チームの取組み手法
・その他地域、日本以外に適用可能なモデル
・東北は震災がきっかけで立ち上がった。では他の疲弊した地方は?
・「講」と呼ばれる相互補助システムが機能した。
・講はCo-workとして現代でも通用するのでは。
・百俵館のデザイン手法を地域にも広げる。










何より、人のちから、デザインのちからで復興とともにコミュニティが醸成されている成果を、この場で発表し、議論できたことを一日本人として誇りに思います。
世界に広がれ!川の上モデル!!




川の上プロジェクトのハーバード発表を記念しての一枚









Welcome to Harvard Miura san, the leader of the Kawanokami recovery project in Tohoku, Japan!


We were grateful to have pretty much diverse 20 students from all over Harvard GSD, HKS and Tufts Univ. We made a presentation on the process of the recovery, workshop and community planning. Also, had vibrant discussions with talented students. Special thanks to Japan GSD for their support.
Surprisingly, the Japanese sweets which Miura san brought from Tohoku, Japan vanished fast!


I would like to share thoughts and points made in our discussion.

- Significance of the bottom-up approach and team work
- Implementation by the mixed team comprised of local leaders and youthful powers.
- Applicable model to other areas both in Japan and worldwide
- The disaster became the trigger for them to revitalize, then how about other shrinking area in Japan?
- Mutually dependent system named "Co" worked very well
- The concept "Co" can be interpreted as Co-work in our time
- Design scheme of Hyappyokan is worth spreading among the area



On top of that, as fellow Japanese, We were very much proud that this wonderful opportunity allowed us to share our achievement through the project with Harvard community.

Hope the Kawanokami model inspires the world!!!





スペシャルトークの成功と充実した学生との議論の後はお約束のJohn Harvard Brewery




2017年1月30日月曜日

1st semesterの振り返り

怒涛の1st semesterが終わり、その後家族のケアや自身の東京でのプロジェクト、アジアトレックの関係で投稿が遅くなってしまったが、あらためて整理のために振り返りを行っておきたい。

以下、1st semester全4つの授業についてそれぞれの成果と達成できたこと、2nd semesterも継続目標のこと、気付き等々を記しておきたい。また、公開可能な範囲で最終成果物もアップロードしておくので、どうぞご自由にご覧ください。また、使用希望の場合はメッセージかメールにてご連絡をいただいた場合は許可をします。著作権は筆者に属しますので無断転用、使用はお控えください。




1) Real Estate Finance and Development by Richard Peiser
この授業の集大成は、不動産開発とファイナンスの基礎理論を組み合わせて、不動産開発プロジェクトのピッチを一からつくりあげ、投資家向けのプロジェクトレポートにまとめるというもの。

敷地の選定からプロダクト・タイプ(不動産用途)、ファイナンス・ストラクチャーや投資出口を含め、すべて各自で設定し、オリジナルのプロジェクトをつくりあげる。僕の場合は自身のTokyoでのMicro Mixed Useプロジェクトを取り上げた。

現実に進行するプロジェクトであることで内容が具体的になることと、国際基準での投資レポートをつくってみたいという想いから選定。Peiser教授からもクラスメイトにとっても学びの多いプロジェクトとなるため、是非進めるようにとの後押しもいただいた。

Final Submissionはこちら 

結果的にはフルスコアをいただけた。今回のプロジェクトピッチの作成は米系コンテクストの中で客観的に自身のプロジェクトを分析し観察することができたため、非常に有用な成果物となった。
2016 fall semester中、最もハードなクラスだったが得られるものも当然大きかった。
はっきりいって、この手の授業が日本の建築学科、都市計画学科にあるべきと思うし、総合大学に設置されている建築系大学院には是非ともMBAとのコラボ含め、クラスの設置をお願いしたい。


成果としては下記:

・英語環境での不動産ファイナンス、開発の基礎づくりを行うことができた。
・ハーバードの特徴であるケース・メソッドに慣れることができ、また得られるものも大きかった。
・Peiser教授からULI書籍の翻訳について、進めてみてはどうかという許可を得られた。実際に翻訳を行うには日本の出版社からの許可も必要であるため、営業活動に移りたい。


継続課題としては下記:
・引き続き、ケース・メソッドでの議論により積極的に関わるための英語スキル磨き
・不動産ファイナンスの実務に向けた知識の精査
・小技ではあるが、エクセルのモデリング時の使いこなし法の取得

以上。





2)Form + Finance by Bing Wang & David Gamble
Real Estate and the Built Environmentの学科長であるBing Wang教授の目玉授業である。最終成果物として建築のデザイン(Form)と不動産ファイナンス(Finance)の両側面から考案したプロジェクトを3人一組のチームで創り上げ、発表する。
クリティークはBing Wang教授をはじめ、David Gamble先生、HBSからはWilliam Poorvuが参加し、実業界からも3名が参加するという錚々たる顔ぶれ。

僕等のチームは、MITに隣接した敷地を選定。
現在、NovartisやファイザーといったBio techがMITやハーバードとのコラボ目的で広大なコーポレートキャンパスを築いている環境に隣接する。現在は使われていない工業用倉庫を活かして、コミュニティホテル、SOHO、トラディショナルオフィス、Co working スペース、そしてレジデンスへとコンバージョンするプロジェクトだ。
チームメンバーのバックグラウンドも非常に面白い。

一人は中国大連出身のコーネル大学のホテル学専攻でJLL東京オフィスのインターン経験者
もう一人はレバノン出身のエンジニアで実家がホテルを経営、ドバイでも働いていた

この顔ぶれから、建築系バックグラウンドは僕のみで、あとは基本は企画やファイナンスのバックグラウンド。それぞれメンバーが忌憚のない現実的なアイデア発信や議論が行えるため、現実味のある充実したプロジェクトとなった。

Final Presentationはこちら

クリティークからのフィードバックも非常に熱い議論となった。特にミクスト・ユース用途については、この近辺のホテルニーズやポテンシャルを考えて、あえて用途をホテルに絞るのがよいのではないかという議論も出た。確かにプログラムや投資判断もシンプルになる。しかし、あえてミクストユースへのコンバージョンに挑戦したことで、知見も深まったし、これから都市部での有休不動産の活用ではミクスト・ユースという観点が欠かせないと考えている。

他のチームの発表もどれもよく練られており、非常に刺激になった。面白いのは、大半のチームがCo Workingをコンポーネントに取り入れていることだった。やはり、時代のニーズを反映しているものと思われる。

こちらも日本のデザイン系大学院には是非取り入れてほしい授業の1つだ。この視点があればこそ、不動産業界に入る学生にクリエイティブな視点を与えることができるし、設計業界に入る学生にとってはデベロッパーや投資家の判断基準がわかるため、効果的な提案が可能となるだろう。




成果としては下記:

・フォームや用途がどのように不動産に付加価値を与えるかを習得できた。
・不動産投資プレイのさわりを理解できた。Core, Core+, Added Value, Opportunistic


継続課題としては下記:
・William Poorvu氏の主宰するコンペへの提出が冬休み期間のAsia Trekと重なりできなかったため、来年は挑戦したい。

以上。





3)Real Estate and City Making in China by Bing Wang

このクラスは個人的には自分の研究テーマを定め、そして深めてゆくうえでも最も役立った授業だ。学科長Bing Wang教授の指導が非常に明快なことと、アジアと米国のコンテクストに熟知している彼女だからこその視点がありがたい。
僕のテーマは
「Challenges in International Real Estate Investment in China」

いわゆる成熟マーケットで地位を築いてきたデベがなぜ新興都市に進出するか、そしてそこで遭遇したチャレンジと乗り越えた方法を明らかにする。
ケースとしては、森ビルの国内六本木ヒルズ、そして上海のShanghai World Financial Centerとの比較、また鹿島による虎ノ門タワーズと瀋陽春河地区開発の比較、またShui on LandによるHong Kongの開発と上海新天地プロジェクトの比較。

最終論文はこちら

このファイナルペーパーは結果的に、教授からもHigh Passをいただき、今後さらに研究を継続することを強く薦められ、僕としてもCross Boarder Investmentを将来的には行うことを見越しているため、目下継続中である。このペーパーを通じて、森ビルやアジアの投資ファンドとの繋がりもでき、ある意味では道を開いてくれた頼もしい成果物となった。

成果としては下記:

・国際投資、とくに新興市場におけるリスクとリターン、判断に関わる知識の習得
・中国において政府と民間、海外勢がどのようにinteractionしてきたかを理解
・自身の今後の研究の骨子が見えてきた
・デベや投資ファンドと対話するための基本知識が得られた


継続課題としては下記:
・25ページのペーパーだったが、Literature Reviewについてはさらに広く文献をあたり、レビューをしっかりと行いたい。
・ペーパーを執筆する上での英語のライティングスキルの向上を目指したい。

以上。





4)Cities by Design by Peter Rowe and Alex Krieger
名物教授二人による授業であり、毎度語られる都市デザイン講義は聞いていて、とてもワクワクするものだった。
また、各都市のセッション後にはチームプレゼンがあり、学生が都市デザインの歴史やプラン、実現された都市空間についての調査報告を行う。

僕は上海チームだったが、都市デザイン学科の学生や他のMdesの学生とも共同作業ができ、ディスカッションも盛り上がったため、非常に楽しめた。
テーマは上海のSuper Tall Buildingが集結するPudong, Lujiazui地区の近代の変遷と現在の都市空間の成功と影。

プレゼン中、上海と東京の都市空間の比較や問題点指摘をしてみたものの、東京はアメリカ人にとっては混沌とした状態や雑踏に凄みを感じるらしく、東京の問題点である職住分離による多様性の欠如などは認識していない様子だった。

最終プレゼン、自身のパートはこちら



成果としては下記:

・都市デザインにおける基本知識を米系文脈の中で理解できた
・都市環境の事例と成り立ちを知ることで、今後どのような観察眼を持つべきかを理解


継続課題としては下記:
・都市デザイン領域は定性的な判断や成果が多いため、切り取る側の視点やスタンスにどうしても引き寄せられてしまう。定性的な観察と定量的な観察をどう組み合わせてゆくかを探求する必要がある。

以上。



写真は学期の無事の終了を祝してのアフタヌーンティ@ボストン公共図書館。教授と学生を囲んでの和やかな一時であり、お互いの健闘を称え合った。



2016年11月8日火曜日

Mid-term 終了!

先々週にFirst Semesterの山場だったMid-term期間(テストや課題中間提出)が終了した。
米国スタイルの授業やAssignment(課題または宿題)について行くので精一杯だった今学期の前半が無事に終わった。

我が不動産デザイン学科はポストプロフェッショナルということもあり、ネットワーキングを行うイベントが、毎週のように開催されていて、学生は皆、学業に励む傍らで精力的にネットワーキングに出かける。
不動産は「ロケーション、ロケーション、ロケーション」と言われるが、同時に、「ネットワーキング、ネットワーキング、ネットワーキング!」なのである。皆社会人経験があるので社交に長けた同級生が多く、本当に刺激になるし、お互いに誘い合うので自然と実業界、アカデミア問わずにネットワークが広がることが嬉しい。

各授業とも濃密かつ集中力が必要なので疲れ果てるが、その後にはネットワーキングに出かけ、一杯飲んでリフレッシュ、また図書館に戻りAssignmentをこなし、リーディングを行い、場合によってはグループワークを深夜まで続ける日々が続いた。

慣れない環境の中で最初の山場となるMid-term期間を勉強仲間とともに乗り切れたことに今は何より、安堵している。Semesterの折り返し地点を無事に通過といったことろか。

僕のMid-term戦歴と学びを備忘録として記したい。


1)Real Estate Finance & Development
Mid-termは2つ。ファイナンスモーゲージテストと不動産鑑定評価課題(Appraisal Project)

まずは我らが不動産デザイン学科の必須授業であり根幹の1つであるクラスのファイナンスモーゲージテスト。つまりは不動産デベが資金調達する際に銀行からいくらを、どれくらいの金利で、どのくらいの期間借りれば、プロジェクトが成り立つかを計算するテスト。またDCF法や投資評価指標の基本も抑えるテスト。

日本での不動産投資では見てこなかった指標や手法も身につけることができ、不動産ファイナンスのメカニズムの基礎を理解する上では非常に役立ったテスト。
ただし、相当にハードなテストであることは間違いない。満点を取れる学生は毎年2人程度とのことで、今年も例年どおりとのこと。自身の感触は80%あたり。


次に不動産鑑定評価(Appraisal Project)。これはグループで行うプロジェクトで、ボストンの特定のエリアと不動産を選択して、その不動産評価を行うもの。
このプロジェクトに上記のファイナンスの基礎知識を応用しつつ、最終的な不動産評価レポートを作成することが目的である。実際の街が対象なので、色々な意味で盛り上がる。
自分が投資家なら、レジ系にするかリテール系、はたまたAクラスオフィスを投資対象とし選ぶか。。

我々はチーム自体が多国籍ということもあり、各国に帰ってもマーケットや扱い方に共通点があるレジデンス系を選択。下記に最終レポートの一部を公開する。

マクロ、ミクロレベルでのマーケット・トレンドの調査から始まり、実際の物件訪問、比較対象物件の調査を経て、最終的にスプレッドシートを作成。DCF分析まで至る。
DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)で明らかになるのは、その物件が自分たちの期待する投資を満足するためには、一体いくらで購入する必要があるか?というもの。
物件取得後から物件売却までの収益を、期待する利回りで現在価値まで割り引くのだ。

チームワークにも恵まれ、学びの多いプロジェクトとなったし、この指標如何によって不動産のデザイン余地などにももちろん影響するわけなので新たな武器を手に入れた感じだ。
こちらは結果が出揃い、我々のチームはほぼフルスコアを獲得することができた。

ボストン、ノースエンド地区をプロジェクトに選んだ

マクロ、ミクロレベルでのマーケット分析

対象物件の調査

Comparable(比較物件)の調査と比較

DCF法による分析


2)Real Estate and City Making in China
一般的にリサーチ・セミナー形式と言われるこの授業は少数精鋭で中国新興都市におけるリサーチを各学生が行い、Mid-termにその成果を授業で発表する。
Bing Wang教授と二人三脚でリサーチを行い、約1時間の持ち時間の中でクラスに対してリサーチを共有することから、さながら学生個人が授業の一部を行っているようなものだ。

僕にとってもほぼはじめての英語での長時間プレゼンだったし、リサーチもボリュームが多かったことから、Mid-termの山場の1つであった。

僕のリサーチテーマは「Challenges in International Real Estate Investment in China」だ。
以前から興味のあった分野で、新興都市で如何に我々日本企業が不動産開発や投資を軸としながらも都市生活の創造に貢献できるかを探るものだ。
「Why do we invest in China?」というシンプルな問いかけを軸に、中国に投資してきた森ビルや鹿島のケーススタディをもとに、そのチャレンジと成功、そして困難をどう乗り越えたかをあぶり出す。


森ビルの例では上海ワールドファイナンシャルセンターと六本木ヒルズのオフィス棟を比較しつつ、簡易な投資対効果等を比較した。

鹿島の例は担当だったこともあり、瀋陽でのマスタープラン策定から端を発した、VankeグループとのJVによる分譲マンション事業の採算と、虎ノ門タワーズレジデンスの採算を簡易試算をもとに行った。

結果は統計や実経験に基づいたケーススタディが好評で、クラスのメンバー、そして教授からもポジティブなフィードバックがいただけた。英語でのプレゼンではあったものの、プレゼン英語を極力シンプルで伝わりやすいもので一旦組んだうえで、当日はテキストを読まずに、自分の言葉で話せたこと。そもそも統計やケーススタディの組み立てを明快に出来たことで研究内容がストレートに伝わったようだ。

今後の研究についても、このテーマを深掘りしてよいとの快諾を得られ、はじめての充実感を味わった。

以上が山場となったMid-termと振り返り。


2016年11月1日火曜日

伝説の授業 Lecture with the Legend

ハーバードビジネス・スクール(HBS)の不動産系授業で30年以上に渡って教鞭をとってきた伝説の教授をご存知だろうか。もちろん、実業家としても数々の成功を収めてきた人気教授。

William Poorvu氏だ。

我がデザインスクールの不動産学科でも領域とカレッジを超えた数々の授業が提供されるが、この日は僕にとって特別な日だった。

Poorvu教授が我が不動産デザイン学科で、彼得意のケーススタディをもとに教鞭を取る日だ。
実はPoorvu教授がHBSで教鞭をとっていた人気授業が書籍となって約9年前に日本でも翻訳本が出版されていた。


この翻訳本は、不動産の実在プレイヤーがどのようにゲームを組み立て、創造性をもってコマを進めていったか、あるいは脱落していったかが活き活きと表現されている。
僕がちょうど大学院を出たころに手にした本で、不動産から建築デザイン、都市デザインをリードしてゆくという活動のきっかけを与えてくれた非常に重要な本の1つだ。そしてあっという間に9年の月日が流れていたことに今更ながらに気づき、驚いた。

授業は、事前に与えられたNew York CityのBattery Park CityについてのケースとBoston Fan Pierについてのケースを読み込んだ上で、自分なりの比較を行い、検討し、判断を下すものである。

poorve教授を囲む生徒。もちろん各学科の先生方も我先にと参加する。


実際にそれぞれのプロジェクトは不動産事業として、段階的な紆余曲折を20年間におよび、経ながら、光と影の部分を包含し、今の姿へと至っている。
その中で、各段階で関わったプレイヤー(デベロッパー、金融、行政、パートナー企業、テナント、地元)がどのように行動し、その結果どういう事態が引き起こされたかを描いていて、ケースを読んでいるだけでもドラマのようである。

クラス内ではPoorvu教授が、あるき回りながら、次々に生徒を指してゆき、プレイヤーとしての判断を求めてゆく。そしてさらにWhy? and Why?と答えを追求してゆき、プレイヤーの心理や感心=Appetiteをあぶり出す。
そして、実際に各プレイヤーが取った判断や行動を最後に紹介する。

印象深かったのは、不動産の大きな潮流を考えるうえで、教授の示すタイムフレームである。

「10年のマーケットサイクルと5年の人間の記憶のサイクルで不動産は動いている。」

という金言だ。

確かにここ20年の不動産のサイクルを見ても、また長期的な不動産開発プロジェクトにおいてもこのサイクルが当てはまるし、不動産自体が人間の生活や成長の受け皿である限り、このサイクルから逃れることは難しいだろう。

次のサイクルは2018年あたりなので、それまでに諸々準備をしておきたい限りである。

熱狂覚めやらぬ中で、時間切れとなり授業自体はあっという間に終わってしまったが、授業後に早速、Poorvu教授に9年前に購入した訳本を握りしめ駆け寄った。
そして、自身が不動産の魅力に気づくきっかけを与えてくれたことへの御礼を述べ、固く握手を交わした。

教授も日本語版を出したときのことを思い出して喜んでくれたことはよかった。
もちろん、サインをいただき記念撮影。
感無量である。

不動産開発に対する、深いが直球でシンプルな洞察や「Why?」を問い続ける姿勢、そして実業家としても数々の成功を収めてきた師から学んだことを、これからの活動に是非活かしたい。

Poorvu教授とともに。快く訳本のサインに応じてくれた。


2016年10月19日水曜日

ショッピング・ウィーク&今学期履修科目決定

今学期(Fall semester)最初の3週間ほどは、どのカレッジでどの授業をとるかを学生が聴講し、見定める期間で通称ショッピング・ウィークと呼ばれている。当然のことながら、ポストプロフェッショナル・コースの我々はより実務に近い授業を選択する傾向にあるし、この手の授業はデザインスクールはもとよりビジネス・スクール、ケネディ政策スクールに相当数が設置されている。

実際に人気教授の授業はショッピング・ウィーク中は様々なカレッジから優秀な学生が「試聴」しにくるし、その間にネットワーキングが行われることもしばしばである。

大きく分けてデザインスクールの授業はスタジオ系とレクチャー系に分類される。スタジオ系はこれから建築設計やランドスケープデザイン、都市デザインを学ぶ学生が各教授の指導するスタジオという単位のもと、実際の作品製作を行う形式である。
ハーバードデザインスクールの校舎であるGund Hallのひな壇状スタジオ教室は有名で、見渡すかぎり、そこかしこでクリエイションが行われている。レクチャー系は、各専門領域の教授による講義形式、もしくはケーススタディやフィールドワーク形式によるもので、特にケーススタディ形式はHBS発祥のハーバード流教育を象徴するレクチャー形式である。
Gund Hallのひな壇状スタジオ教室 クリエイションや議論が昼夜問わずに行われる



自分のFall Semester履修授業は下記と方向性が決まった。
それぞれに概要と、ショッピングウィークを通しての自分なりの到達目標を記しておきたい。
(自己の整理のためにも長文になることをご容赦いただきたい。)

1) Real Estate Finance and Development by Richard Peiser
不動産ファイナンスと不動産開発の基礎理論を習得する授業
不動産デザイン学科の前学科長であり、名物教授であるRick Peiserによる授業。必修の授業ではあるものの、分野横断的に意識の高い学生があつまり、クラスのキャパを越える学生が殺到している。ただし、不動産開発の主軸となるファイナンス理論を扱っているため、宿題(Assignment)の量が半端ではなく、文字通り半端な気持ちではついてゆけない授業でもある。
6 functions of $1という基本概念からスタートし、最終的には不動産開発に関わるものには必須の不動産評価手法や資金調達理論、プロジェクトのキャッシュ・フローを習得する。また毎週紹介されるケーススタディは、どれも実際のプロジェクトの中で経営者が不動産事業の判断をどう行うかを鮮やかに描いており、その中で習得したスキルと想像力をもとにどう判断するかを学生に問いかける。
ケースを読み込むだけでももちろん相当な時間を要するが、得られるものは大きい。また、追って紹介するがStudy with Legendという、HBSで30年以上に渡り名物教授と名を轟かせた教授とのケーススタディ授業も含まれる。

自分の到達目標としては、国際水準で通じる不動産ファイナンス理論の基礎を身につけること。また不動産開発に関わるTerminology、つまり専門用語を英語で使いこなせるようになること。またケーススタディを通して、デベとしての直感や判断基準を養うことにある。
Urban Land Instituteでも活躍するRick Peiserの語り口調は非常に明快で、また彼のULIから出版されている書籍も非常に有益な内容であるため、機会があれば翻訳にチャレンジもしてみたい。
以上。

名物教授、Rick Peiser 今日の1ドル、将来の1ドルが利回りとともにどう振る舞うかを6通りに紹介


2)Form + Finance by Bing Wang & David Gamble
建築のフォーム、不動産ファイナンススキームがお互いにどう作用(interaction)するかを探求する授業。
現学科長であるBing Wangによる授業である。こちらも、Bing Wangの明快な説明と導きにより、人気を博している授業である。デザインバックグラウンドの学生には不動産ファイナンスの知識を与え、不動産開発をよりクリエイティブにするための力を与える。逆に不動産や金融バックグランドの学生には、不動産開発においてクリエイティビティがどう付加価値(Added Value)を生み出せるかといった視点を与える。
都市デザインのプロであるDavid Gambleも加わり、Charrettes(シュレットと発音)と呼ばれる授業内での即席設計課題が出される。面白いのは、3人程度でこの課題に取り組むのだが常にファイナンス系とデザイン系が混ざったチームで取り組む。つまりシュレット内で常にデザインとファイナンスの議論がなされるわけである。その後、一斉に各グループの即席課題を貼り出し講評会が両視点から行われる。
宿題は毎週ユニークなものが出され、デザイン、ファイナンス両方のセンスを鍛え上げるための腕試し的なトレーニングが行われる。最終的には培った両センスを元にファイナル・プロジェクトといって1つの不動産事業を構想する。

自分の到達目標としては、デザイン、ファイナンス両面からのディスカッション能力の基礎を身につけること。不動産に付加価値を与えるフォームの幅を成功事例をもとに広げておくこと。可能であればボストン周辺で実行しうる開発や自分の好みである開発手法を探っておく。以上。

Charrettsの例 湖畔の再開発を即席で作り上げる


3)Real Estate and City Making in China by Bing Wang
こちらもBing Wangによる抽選形式のリサーチ型授業。抽選形式(Lottery)とは、授業のキャパが方針により決められれているため、ショッピングウィーク中に履修希望者の中で抽選が行われ、当たった学生が優先的に受けられる授業形式。
この授業は12人程度とかなりコンパクトな授業であるものの、米国、アジア双方の学生からの人気が高い。自分は中国瀋陽で仕事をしていた関係から、中国を始めとする新興都市での不動産投資と都市づくりにどう貢献できるかを研究したいことから履修を決定。リサーチベースで各学生が毎授業で小一時間のプレゼンテーションを行い、ディスカッションをBingがリードしながら行う。
ゴールは25ページ程度のファイナルペーパーを自分のテーマに沿って仕上げる。毎週リーディングを消化したうえでのディスカッション参加が求められるが、とくにプレゼンターとなる学生は統計や人口動態、ケーススタディを組み込んだ作り込まれたプレゼンを用意し披露する。プレゼンの道筋やリサーチマテリアルをBing氏もしっかりとサポートしてくれるので、学術領域に進む大学院生には特にオススメである。

同じく到達目標としては、リサーチベースの研究手法を米国水準でマスターする。中国を中心とした新興国での不動産投資に関わるチャレンジとリスク、成功要因をケーススタディを引用しつつ明らかにする。(そっくりそのまま自分のファイナルペーパーとなりそう)  英語でのディベート力を身につける。以上。


4)Cities by Design by Peter Rowe and Alex Krieger
アーバンデザイン学科とランドスケープ学科学生向けの名物授業であり、米国の都市デザイン分野では第一人者のピーター・ロウとアレックス・クリーガーの授業である。
各都市がどのように歴史の中でその様相を変えながら、その都市デザインが変遷してきたかを研究する授業。今学期の研究対象都市はボストン、イスタンブール、ベルリン、バルセロナ、上海そしてクエートである。いづれも今まさにホットな都市であり、イスタンブールは東京と2020年のオリンピック招致を最後まで戦った盟友といったところである。
(東京が入っていないことに、日本のリードタイムがほぼ切れかけていることを感じてもらいたい。)
各都市の専門家である都市デザイナーがそれぞれの都市についての歴史や都市デザインを紹介し、学生数人を単位としてさらに都市研究を行い成果を発表する形式。ピーター・ロウが的確に実体験やジョークを交えながら議論をリードする人気授業である。余談になるが、フルブライトの大先輩であり推薦状を書いてくださった元港区町の原田敬美先生の恩師でもあるピーター・ロウから直々に薫陶を受けられることは感慨深い。

到達目標としては、各都市の成り立ちと都市デザインのバリエーションを習得する。特にボストンのグリーンエメラルドとよばれる緑のネットワークやBig Digと呼ばれる高速道路地下化と緑道整備の一大プロジェクトに対する見識を深めておく。これは自分が日本橋地域でテーマとする首都高速再編の活動にも将来活かすつもりである。また、アーバンデザインの学生やランドスケープの学生とのコラボレーションを通じて、才能ある都市仕掛け人達との繋がりをつくっておきたい。



以上が今期の履修科目。GSDを越えてビジネス・スクールやケネディ政策大学院の授業もショッピングを行ったが履修は来学期に見送り。最初の学期は環境に慣れることと、そもそも不動産の知識を英語で入れることを集中すべきと考え、アドバイザーであるBing Wangとも意見が一致したために、この判断がベストと考えた。

たかが4授業!と思われるかもしれないが、上記に記した通り内容の濃い授業に加えて大量の課題があり、かつ自分の語学力のなさを思い知らされるため、全く寝る間がない。週末は必死こいて未消化分を潰す。しかしネイティブにとっても分野横断的な課題が多いので、必然的にお互いを助け合うためにもスタディグループが形成される。このスタディグループの仲間が掛け替えのない財産でもあるのだ。

ハードな課題をともに戦うスタディグループ、つかの間のビア&オイスター



2016年9月17日土曜日

ハーバード・オリエンテーションウィーク

9月前半はハーバードの各カレッジ(デザイン・スクール、ケネディ政策大学院、ビジネス・スクールをはじめ全カレッジ)の入学式およびオリエンテーションウィークで大学全体が賑わう。
ハーバードのリソースをとことん使い倒すためのインストラクションが一週間ほどつづく。

ハーバード・ヤード


我らがデザイン・スクールであろうとも、かならず強調されることは
"Networking, Networking and Networking!"である。
とくに国際色豊かなデザイン・スクールでは様々な国からの留学生とネットワークを作ることができる。もちろんカレッジを越えて、ケネディ政策大学院(HKS)やビジネス・スクール(HBS)へネットワークを広げて未来のビジネスパートナーを見つけることも可能である。

デザイン・スクールの大講義室 Piper Auditorium


自分の所属する不動産開発コース、Real Estate and the Built Environment(通称REBE)は建築や都市のデザインと不動産ファイナンスや起業家論を組み合わせて、各人に合わせたコース構築が可能であり、かなりの裁量を個人に任せられている。
当然、ポスト・プロフェッショナルと謳っているだけあって、学生総勢28人とも様々な国で実務経歴のあるメンバーが揃っている。まさにダイバーシティだ。簡単に列挙すると以下のような属性構成。


①建築デザイン系バックグラウンド:隈研吾オフィスで働いていたモナコ人、モーフォシスで働いていたパナマ人、藤本壮介オフィスで働いていたカナダ人、北京系建設会社で働いていた中国人、イギリスのアトリエ事務所で働いていた英国人、メキシコのコングロマリッドで働いていたメキシコ人その他建築系学位取得者が6割り程度

②ファイナンス系もしくは不動産系バックグラウンド:米国系外資金融とプライベートファンドで働いていた中国系アメリア人、米国系有名コンサルで働いていたインド人、エジプト人、韓国系米国人、不動産コンサルで働いていたアメリカ人、ホテル産業系で働いていた中国系米国人が3割り程度

③エンジニア系バックグラウンド:ニューデリで働いていたインド人、ドバイで働いていたレバノン人が1割り程度

ダイバーシティがかなり意識された構成であり、学生の選定基準も多様性に重きが置かれているとのこと。当然、各国の特徴を紹介し合ったりしつつ、各国各都市のビジネス・マーケットなどについても活発に情報交換が行われる。まずは訪れたこともない都市の不動産マーケット情報や商習慣の生の声が聞けるのは非常にありがたい。学部上がりが少ないので、留学中もネットワーキング・パーティを皆で楽しむのがREBEスタイルだ。

デザイン系バックグラウンドとファイナンス系バックグラウンドの人間がともに勉強に励む中で、何かが起こらないわけがないのである。早速、東京へ投資したい。あるいはエマージング・シティ(新興都市)へのビジネスの可能性についての活発な議論が夜な夜な続く。

また、他のカレッジとの交流会も開催され、自分にはなかった視点や概念が次々と美酒とともに頭に流れ込んでくるのである。
美しい夕日に染まるチャールズリバーを見ながら、酔いしれるオリエンテーションウィークである。