2016年9月17日土曜日

ハーバード・オリエンテーションウィーク

9月前半はハーバードの各カレッジ(デザイン・スクール、ケネディ政策大学院、ビジネス・スクールをはじめ全カレッジ)の入学式およびオリエンテーションウィークで大学全体が賑わう。
ハーバードのリソースをとことん使い倒すためのインストラクションが一週間ほどつづく。

ハーバード・ヤード


我らがデザイン・スクールであろうとも、かならず強調されることは
"Networking, Networking and Networking!"である。
とくに国際色豊かなデザイン・スクールでは様々な国からの留学生とネットワークを作ることができる。もちろんカレッジを越えて、ケネディ政策大学院(HKS)やビジネス・スクール(HBS)へネットワークを広げて未来のビジネスパートナーを見つけることも可能である。

デザイン・スクールの大講義室 Piper Auditorium


自分の所属する不動産開発コース、Real Estate and the Built Environment(通称REBE)は建築や都市のデザインと不動産ファイナンスや起業家論を組み合わせて、各人に合わせたコース構築が可能であり、かなりの裁量を個人に任せられている。
当然、ポスト・プロフェッショナルと謳っているだけあって、学生総勢28人とも様々な国で実務経歴のあるメンバーが揃っている。まさにダイバーシティだ。簡単に列挙すると以下のような属性構成。


①建築デザイン系バックグラウンド:隈研吾オフィスで働いていたモナコ人、モーフォシスで働いていたパナマ人、藤本壮介オフィスで働いていたカナダ人、北京系建設会社で働いていた中国人、イギリスのアトリエ事務所で働いていた英国人、メキシコのコングロマリッドで働いていたメキシコ人その他建築系学位取得者が6割り程度

②ファイナンス系もしくは不動産系バックグラウンド:米国系外資金融とプライベートファンドで働いていた中国系アメリア人、米国系有名コンサルで働いていたインド人、エジプト人、韓国系米国人、不動産コンサルで働いていたアメリカ人、ホテル産業系で働いていた中国系米国人が3割り程度

③エンジニア系バックグラウンド:ニューデリで働いていたインド人、ドバイで働いていたレバノン人が1割り程度

ダイバーシティがかなり意識された構成であり、学生の選定基準も多様性に重きが置かれているとのこと。当然、各国の特徴を紹介し合ったりしつつ、各国各都市のビジネス・マーケットなどについても活発に情報交換が行われる。まずは訪れたこともない都市の不動産マーケット情報や商習慣の生の声が聞けるのは非常にありがたい。学部上がりが少ないので、留学中もネットワーキング・パーティを皆で楽しむのがREBEスタイルだ。

デザイン系バックグラウンドとファイナンス系バックグラウンドの人間がともに勉強に励む中で、何かが起こらないわけがないのである。早速、東京へ投資したい。あるいはエマージング・シティ(新興都市)へのビジネスの可能性についての活発な議論が夜な夜な続く。

また、他のカレッジとの交流会も開催され、自分にはなかった視点や概念が次々と美酒とともに頭に流れ込んでくるのである。
美しい夕日に染まるチャールズリバーを見ながら、酔いしれるオリエンテーションウィークである。